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日本ボランティア学習学会 第23回オンライン大会 実施報告
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第23回日本ボランティア学習学会オンライン大会報告 |
いま、私たちにできること 〜助け合いのなかで学ぶ時代へ〜 |
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第23回日本ボランティア学習大会の概要
第23回日本ボランティア学習学会は、2020年12月26日13時から15時の間、亜細亜大学の協力のもとで、「いま、私たちにできること〜助け合いの中で学ぶ時代へ〜」をテーマに、オンライン方式により開催されました。
私たちは、今「分断」する学びか、それとも「連帯」する学びかという課題に直面しています。昨年来のコロナウイルス感染拡大がもたらした社会的危機の中で、学ぶことの意味と教育がめざす本質が問われています。
今大会は、このような状況の中で、熊本・新潟・愛媛・高知・東京・神奈川の6名の発表者と約30名の参加会員を結んで、オンライン方式で学会発表を行いました。
各発表者からは、多様な視点のもとに学びの意義と成果が述べられ、生命の尊厳と多文化共生社会の構築をめざすボランティア学習の可能性を再発見することができた大会となりました。
本協会としてオンライン方式の大会は今回が初めてでしたが、参加者からは、全国各地の会員の多様な発表を居ながらにして聞くことが出来ることは、オンライン方式の利点と思うとの感想が寄せられました。次年度もこの方式が効果的であると考えています。
オープニングメッセージ(第1部)
開会冒頭、代表理事の興梠寛(昭和女子大学特任教授)からオープニングメッセージとして次のように大会趣旨が述べられました。
今、社会はコロナ感染拡大という危機的状況の中にあります。このような状況の中でボランティア学習における「学び」の意味を考えることは、改めて重要なものがあると考えます。今回はこうした観点に立ち、6名の会員の方から、実践報告や研究発表をしていただくこととしました。オンラインという制約もありますが、有意義な学びの機会となることを願っています。
ボランティア学習実践レポート(第2部)
本実践報告では、理事の大坪直子(全国体験活動ボランティア活動総合推進センター)の進行のもとで、次の3名の会員からそれぞれ発表がありました。
@八木浩光(熊本市国際交流振興事業団事務局長)
―高校生が主役の国際ボランティアワークキャンプの15年
A中野 充(新潟青陵大学学生ボランティアセンター長)
―大学ボランティアセンターによる地域人材養成への挑戦
B柴崎あい(愛媛ボランティア学習研究会)
―コロナ渦を乗り越えるボランティア学習実践と新たな可能性
コロナ禍の中で若者たちのボランティア活動も困難な状況になる中、オンラインを活用するなど感染対策のための工夫をした活動を模索し各地で実践されています。今回の3名の報告もそうした実践の一つです。
これらはいずれも、今までの活動を活かしつつ、今だからできる地域との連携・共生をめざす活動を熊本・新潟・愛媛から紹介。若者たちの挑戦が地域の活性化につながることを実感できる内容でした。
苦肉の策として開催したオンライン学会で各地の事例を「一堂に会して」学ぶ機会が得られたことは学習協会にとっても新たな挑戦に繋がるものとなりました。
ボランティア学習研究レポート(第3部)
本研究報告では、副代表理事の栗田充治(亜細亜大学名誉教授)の進行のもとで、次の3名の会員からそれぞれ発表がありました。
@甲野綾子(NGOソシア代表理事)
―多文化共生社会を創造するボランティア学習の課題
A中家由紀子(Project Trust日本代表)
―グローバル時代における若者の学びと英国ギャップイヤーの歴史
B齋藤ゆか(神奈川大学教授)
―大学が創造するコミュニティと学びの場づくり
本研究発表では、若手・中堅の会員が現在取り組んでいる第一線の研究内容を紹介してもらうことが期待されました。
インタビューの質的分析を取り込んだ研究、ギャップイヤーの歴史に遡っての現状分析、大学をベースとしたユースフォーラムの取り組みから大人の学び場づくりへの課題提示など、興味深い発表がそれぞれ詳細な共有フリップ(パワーポイント)を使って行われ、示唆に富んだものとなりました。